税理士とは
税理士とは税の専門家です。
納税者に代わって、難解な税務申告書類の作成や申告を代行する、税金に関する相談への対応が主な業務です。他にも、企業の経営に関する相談や金融機関から融資を受けるためのサポートといった業務もあります。中小企業にとってなくてはならない存在といえます。
税理士になる方法(必要な資格)
税理士になるためには、原則として税理士試験への合格が必要となります。
受験科目は下記のとおりです。
- 必修科目
- 簿記論、財務諸表論
- 選択必修科目
- 所得税法、法人税法
- 選択科目
- 国税徴収法、酒税法、事業税、住民税、相続税法、固定資産税、消費税法
上記の科目から、
- 必修科目は両方の科目の合格
- 選択必修科目は2つの科目のうち1つの合格
- 選択科目は、7つの科目から2つ合格
が必要です。
合格率は各科目約10%となります。
税理士試験は科目合格制のため、一度にすべて合格しなければならないということはなく、一度受かった試験はずっと有効です。
そのため、数年かけて科目ごとに合格していくという方法で5科目の取得を目指すのがほとんどです。注意したいのが、税理士試験は受験資格がないと受験できないということです。
税理士になる方法(受験資格)
受験資格を得るためには学識、資格、職歴のいずれかの要件を満たさなければなりません。
- 学識による要件
- 大学、短大、専門学校で経済学もしくは法律学を1単位以上履修する
- 大学の3年次以上で経済学もしくは法律学を62単位以上履修する
- 資格による要件
- 日商簿記検定1級に合格する
- 全経簿記上級に合格する
- 職歴による要件
- 法人や個人事業の会計に関する事務に2年以上従事する
- 税理士や弁護士、公認会計士の業務補助に2年以上従事する
といった要件を満たすことで受験資格が得られます。
受験資格を満たさなければ、そもそも税理士試験を受けることすらかないません。
受験資格を満たすのに確実な方法としては、専門学校に通うか、簿記検定に合格して受験資格を得ることが確実といえるでしょう。
ですが、専門学校は高額な学費を払うということもあり、決断しかねる方もいるかもしれません。
税理士になる方法(働きながら資格取得)
そんな方におすすめしたいのが、資格スクールでの勉強を通して簿記検定、税理士試験の合格を目指す方法です。
専門学校ほど高額ではなく、仕事をしながらでも勉強ができるからです。
また、日商簿記1級に合格している方向けに講座の受講料が割引されるところもあります。
まずは、日商簿記1級もしくは全経簿記上級の取得に専念し、合格して受験資格を得てから税理士試験に挑むというのが、仕事と税理士試験の受験を両立させる良い方法です。
他には会計士・税理士事務所に就職して、そこから実務経験を得ながら資格を取得するという方法もあります。意外にも資格を取得していない未経験者でも採用してくれる会計士・税理士事務所も存在します。
<未経験者OKな会計・税理士事務所の例>
資格がないから…と諦めていた方でも、上記のような未経験者を募集している会計士・税理士事務所に応募をすることで可能性が広がりますので、ぜひ思い切ってチャレンジしてみましょう。
専門職である税理士。
普通の就職のようにはいかない難しい職業ではあるものの、その窓口は広がりつつあります。自分の生活環境から、どのルートで税理士試験合格を目指すのが最適かを考えてみてはどうでしょうか。